いつか行こうと思っていて、きっと行く事は出来ないかもしれないと思う国の一つがシリアです。パルミラからは中国の漢代の絹織物も見つかっており、紀元前から東西交易の要衝地であり、その後の歴史の中でも重要な地域でした。染織美術史にとっても当然大切な地域です。

様々な織物が作られていましたが、概ね繊細なものが多い印象があります。
ここでご紹介する織物は、茶木綿と藍染で織られた20世紀に入って織られたと思われるものです。白い絹で独特の模様が織込まれていますが、一見非常にシンプルで装飾的には感じられないかもしれません。ただ、手に取ってその織を見ると非常に魅力のあるものだと感じます。一番画像だけではわかりにくいタイプのものですね。