織物の歴史の中で平織や綴織はかなり早くから登場しますが、錦織については中国の経糸で文様を織り出す経錦織以外は、恐らく紀元前には存在しないはずです。
緯錦の出現はその後の織物の歴史にとって画期的な事だったと思います。

緯糸で文様を織り出す緯錦は、今では普通に受け入れていますが、試行錯誤の上出来上がったものなんですね。
その初期のものに『タクテ』と呼ばれるものがあります。フランス語ですが、いつ頃から使われているものかはわかりません。
この技法は二重織(風通)とは違いますが、裏表が色違いの様に見える場合があります。

この様な織物が入手出来るとは予想すらしていなかったのですが、ある時海外のオークションでコレクターの手放したものを入手し、ウキウキでショウルームに置いていました。が、注目される事もなく…当たり前です。この様なもの、私もゾロアスターの染織研究の延長線でササン朝の織物を調べていて見ていなかったら気付かずにいたのかもしれないです。

それら最初に入手したものはマットに縫い付けてあり裏は見られませんでしたが、良い勉強になりました。古代織物の迫力が素晴らしいもので、外国の染織品専門のある財団に収蔵されました。

これらの画像は、新たに日本で入手したものです!日本にも入っていたのは知っていましたが、この様なご縁があるとは!
という事で、クローズアップ写真を載せてみます。1つ目はインテリアに使われたタイプで、2つ目は恐らく衣装などに用いられたと思います。

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